税務トピックス
2013年9月 2日 月曜日
太陽光発電の税金③個人が賃貸アパートに設置した場合
(前提)
①不動産賃貸業を営む個人が、賃貸アパートの屋上に太陽光発電設備を設置
②発電した電力をその賃貸アパートの共用部分で使用
③余剰電力を電力会社に売却
(国税庁見解)
1 余剰電力の売却収入の所得区分 → 不動産所得に係る収入金額に算入
太陽光発電設備を設置することにより、共用部分の電気料金は減少し、その分不動産所得の金額の計算上必要経費に算入される金額も減少することになる。
このように、太陽光発電設備による発電が不動産所得の金額について増減させるものであることを踏まえると、その余剰電力の売却収入も不動産所得に係る収入金額に算入して計算するのが相当である。
2 太陽光発電設備の減価償却耐用年数 17年
「機械装置」に分類され、耐用年数省令別表第二の「55 前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」に該当
(注意)
◎全量売電のケース → 雑所得に該当(事業として行われている場合は事業所得)
平成24年7月以降、一定の規模以上の太陽光発電設備により発電が行われる場合には、その送電された電気の全量について電力会社に売却することが可能とされている。(全量売電)
不動産賃貸業を行う個人が、賃貸不動産に太陽光発電設備を設置し、全量売電を行っている場合の売電収入は、不動産所得との関連性が認められないことから、それが事業として行われている場合を除き、雑所得に該当すると考えられる。
以上のように、不動産賃貸業を営む個人が太陽光発電設備を設置した場合の所得区分は一律ではありませんので、十分な注意が必要です。
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2013年9月 1日 日曜日
太陽光発電の税金②個人事業所得者が自宅兼店舗に設置した場合
(前提)
①発電した電力を自宅及び店舗で使用
②余剰電力を電力会社に売却
③電気使用メーターは1つしか設置されておらず、発電量の内、店舗や自宅でがそれぞれいくら電力を使用したか把握できない
(国税庁見解)
1 余剰電力の売却収入の所得区分 → 事業所得の付随収入(事業所得)
サラリーマンが、自宅屋根に設置した場合は一般的に雑所得となりますが、事業所得者が店舗兼自宅の屋根に設置した場合は、全て事業所得の付随収入とするのが相当との見解です。
2 必要経費に算入する減価償却費の計算方法 → 発電量のうち売却した電力量以外の割合を、店舗と自宅における使用の実態に基づく使用率や使用面積割合等の合理的な基準による店舗の使用割合により按分し、その割合と発電量のうちの売却した電力量の割合の合計を事業用割合として計算することが考えられるとの見解です。
要は、自宅で使用した電力量を合理的に見積もって、家事用と事業用割合を算出しなさいとのことです。
3 太陽光発電設備の減価償却耐用年数 17年
「機械装置」に分類され、耐用年数省令別表第二の「55 前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」に該当
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2013年8月31日 土曜日
太陽光発電の税金①サラリーマンの場合(四日市:光本税理士)
太陽光発電の設置者が法人ならば、法人には所得区分がなく、益金・損金の世界ですから一般的に会計処理に悩むことはないかと思われます。
それでは、設置者が個人ならどうでしょうか。
この件に関しては、国税庁の方で見解が出されています。
国税庁の見解は、個人の職業や業種などにより次の3つに分けて出されています。
①給与所得者(サラリーマン)が、自宅に太陽光発電設備を設置した場合
②個人の事業所得者が、自宅兼店舗に太陽光発電設備を設置した場合
③個人が、賃貸アパートに太陽光発電設備を設置した場合
ここでは、①サラリーマンが設置したケースについて、ご紹介します。
1 所得区分 雑所得(※ただし、事業として行われている場合を除く)
家庭用として消費した残りの余剰電力を売電している場合と、発電した電気の全部について売却する「全量売電」の場合がありますが、いずれの場合も一般的には雑所得に該当するだろうとのことです。
2 太陽光発電設備の減価償却耐用年数 17年
「機械装置」に分類され、耐用年数省令別表第二の「55 前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」に該当
3 確定申告
サラリーマンの場合、主たる給与以外の給与収入や他の所得が20万円を超えれば、確定申告義務が生じます。
よって、売電収入についても、ちょっと大変ですが、減価償却費などの必要経費を計算して、1年間の所得がいくらになるか算定する必要が生じると思われます。
※ 「事業として行われている場合を除く」となっている点ですが、次のような整理だと思われます。
A サラリーマンが自宅の屋根に太陽光発電設備を設置している位の規模 ⇒ 事業として行われているとは言えず雑所得に該当
B サラリーマンが副業的に、広大な土地等を使って太陽光発電設備を設置し、ある程度の規模の売電を行っている ⇒ 事業として行われていると認定される場合あり
Bの場合の判断(雑所得が事業所得)は、その線引きが結構難しいと思われます。
あくまでも個別の判断になると思われますので、税務署や税理士等の専門家への相談をお勧めします。
事業所得と認定されれば、赤字の場合、給与所得などの他の所得と損益通算ができ、給与所得の源泉所得税の還付を受けることも可能になります。
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2013年7月13日 土曜日
「みえ森と緑の県民税」について(四日市:光本税理士)
県発行のパンフレットによれば概要等は次のとおりです。
「導入の経緯」について
森林は土砂災害の防止、水源のかん養など私たちの生活に欠かすことのできない大切な働きを持っていますが、山村地域の過疎化等により手入れが不足した荒廃森林が増えています。ゲリラ豪雨など異常気象が増加していることも考え合わせると、自然災害の発生リスクが高まっていると考えられます。そこで皆さんの生命・財産を守る「災害に強い森林づくり」と「県民全体で森林を支える社会づくり」を進めるため、「みえ森と緑の県民税」を導入することにしました。皆さまのご理解・ご協力をお願いします。
「みえ森と緑の県民税」のしくみ
県民税均等割に上乗せして納めていただきます。(※施行後おおむね5年ごとに見直しを行います。)
(個人)平成26年分から課税
・1月1日現在で県内に住所がある方
・1月1日現在で県内に家屋敷等を有する方
税額(年):1,000円
※次の方には課税されません。
・生活保護法の規定により生活扶助を受けている方
・障がい者、未成年者、寡婦または寡夫で、前年の合計所得金額が125万円以下の方
・前年の合計所得金額が市町の条例で定める金額以下の方
(法人)平成26年4月1日以後に開始する事業年度分から課税
・県内に事務所等を有する法人等
税額(年):均等割額の10%相当額
⇒資本金1千万円以下の法人は2,000円
一人(一社)当たりの金額負担が少なく、あまり痛みを伴いませんが増税であることは間違いありません。
決して無駄遣いすることなく、有効に活用していただきたいと思います。
また、使いみちを明らかにするため「みえ森と緑の県民税基金」に入れて管理し、毎年度の取り組み結果についての評価検証結果を公表するとのことですので、チェックは入れたいところところですね。
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2013年7月 2日 火曜日
平成24年度査察調査結果(国税庁発表)を聞いて
全国で191件強制調査を行い、脱税総額は205億円だったとのことです。
規模的には、1件当り1億円強であり、バブルの頃に比べれば1/3以下の金額になっているかもしれませんね。
この内、検察庁に告発した悪質なケースは129件(67.5%)だったそうです。
業種的には、出会い系サイトが10件で建設業や不動産業等を上回り、初めて最多になったということで、時代を反映しているような気がしました。
隠し財産の主な状況については
・リビングのクッションの中に現金7,000万円
・寝室の金庫とトランクケースに現金2億5,000万円
・物置の蚊取り線香の空き缶に現金1,000万円
とのことですが、蚊取り線香の空き缶には驚かせられますね。
また、海外に資金を隠していたのが10件あったとのことであり、国税庁が海外資産への課税強化を図っている理由がよくわかりますね。
いずれにしろ、一度脱税してしまうと、気になって枕を高くして眠れないと思います。
我々税理士は脱税相談には一切乗れませんが、節税の相談ならとことん面倒みます。
せいぜい活用してくださいね。
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