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2012年5月27日 日曜日
遺族がもらう未支給年金は相続財産?(四日市:光本税理士)
かっては、このような「未支給年金」を遺族がもらう時は税務署が相続財産として課税したケースがありますが、現在では国税庁の通達でも「一時所得」で課税を行うとされています。
それでは、「消えた年金記録問題」で、過去にさかのぼって増額分をもらった場合はどうなるのでしょうか。
平成19年7月に「年金時効特例法」が施行され、それまで5年を超える部分が時効とされていたのが、この部分も全期間さかのぼって支払されるようになっています。
(1)年金受給者本人がもらう場合
本人がもらう場合は、本来もらう年分の雑所得となります。
よって、必要に応じて、過去の年分の確定申告や修正申告が必要な場合が出てきます。
ただし、5年を超えてさかのぼってもらうものについては、課税上の時効のため税金はかかりません。
(2)遺族が請求してもらう場合
遺族がもらう場合は、5年以内のものについては、実際にもらった年の「一時所得」と課税されます。
また、5年を超えてさかのぼってもらう分については、課税上の時効により税金の対象となりません。
ここで、ちょっと問題になりそうなのが(2)のケースです。
「年金時効特例法」では、未支給年金の時効消滅分を請求できる遺族の範囲を「生計を同じくされていた方に限り」としています。
また、請求できる順番は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹としていますので、手続きの際は注意が必要です。
このように、遺族が請求してもらう「消えた年金」は相続財産ではなく、請求手続きをした遺族の「一時所得」となります。
ただ、相続で親族間でもめているケースでは、この分の取り扱いについてどうするか問題があるような気がします。
投稿者 光本会計事務所